活躍し続ける女性パーソナルトレーナーの【キャリアプラン】

今回は悩んでいる方も多い、
女性トレーナーのキャリアプランについて
考えていきたいと思います。

周りにメンターやロールモデルがいなかったり、自分に向いている働き方やポジションが
分からない方もいるのではないでしょうか。

これからトレーナーを目指す方や、
既にトレーナーとして活動していて
ステップアップしたい方の
参考になれば幸いです。

まずは全体像を知るために
女性トレーナーの種類や働き方を
分類していきます。

【トレーナーの種類】


①パーソナルトレーナー
(一般的にマンツーマンでのトレーニング指導者)

②アスレティックトレーナー
(スポーツ現場のチームトレーナーやスポーツ整形外科・コンディショニングジムの運動指導者)

③メディカルトレーナー
(スポーツ現場のトレーナーや運動指導をする医療従事者)

日本には「トレーナー」の国家資格がないため 仕事内容や役割は定まっておらず
曖昧な部分もありますが、
大きく分けて上記の3つに集約されると思います。

私は①と③として活動しています。
今回はその中でも①パーソナルトレーナーの
キャリアプランについてみていきましょう。

【働く場所・働き方】

○社員パーソナルトレーナー

:パーソナルジムやフィットネスクラブの
 社員トレーナーとしてトレーナー活動をする

〈メリット〉
・集客や事務作業などのセッション以外の仕事を分担出来る


・固定給料・社会保障の充実など
 社員であることの安定性


・会社で研修やマニュアルがあり、
 一定レベルの教育を受けられる
 (即戦力を求められる場合もあり)


・結婚・出産などのライフステージの
 変化があっても仕事を続けやすい

〈デメリット〉
・収入の上限がある程度決まっている


・店舗移動など転勤を伴うことがある


・セッションなどマニュアル以上の
 内容をすることが難しい


・その会社以外ではトレーナーとして
 通用しない可能性もある

〈向いている人〉
・安定した環境で働きたい、
 ライフステージが変化しても
 働きやすい環境を望んでいる人


・トレーナーとしての専門性だけでなく、
 将来的にマネジメントや教育にも興味がある人


・自分ひとりでやっていくよりも
 チームで仕事をするのが好き・得意な人

今回紹介するパーソナルトレーナーの
働き方の中で収入や社会保障など
一番安定した働き方なので、

自分ひとりで仕事を獲得する・
結果は全て自己責任というのが
苦手な人には1番向いている働き方です。

ただ組織の中のひとりなので
自分の裁量で仕事内容や働く場所が
選べないこともあり、

いわゆる専門職としての
「トレーナー」というよりは場所にもよりますが
「会社員」という方がイメージに近いと思います。

○フリーランスパーソナルトレーナー

:パーソナルジムやフィットネスクラブで
 業務委託契約トレーナーや、
 レンタルジムなどの場所を借りて
 パーソナルセッションを提供している

〈メリット〉
・自分の裁量で
 働く場所・時間・サービス内容など決められる


・トレーナーとしての実力や人気が売上などの 
 成果として現れやすく、
 自分の頑張り次第で社員以上の収入を得られる


・個人の名前で仕事をするため、
 仕事の実績が自分の財産になる

〈デメリット〉
・収入が安定しない、
 社会保障が手薄のため生活や将来への
 不安がある


・集客がとても大変で、
 セッション時間以外にも発信や営業などが必要


・使用する施設によってルールが変わるので
 配慮が必要


・学ぶためには自分で時間・費用を工面する
 必要がある


・実力主義のため、全ての結果は自己責任

〈向いている人〉
・トレーナーとしての実力・人気に自信があり、
自分の考えでサービス提供をしたい人


・自分の働きたい場所・時間を選べるため
 自由な働き方がしたい人


・実力主義なので自分を高めるための
 自己投資をし続けられる人


・自己責任を受け入れられる人


一般的にはフリーランスとして働くためにも
フィットネスクラブやパーソナルジムなどの
活動場所を確保する必要があります。

その場合はジムにお客さんが集まるので 0からの集客というよりは、
ジム内での営業活動でクライアントを獲得
していきます。


パーソナルジムで登録トレーナーとなれば
新規クライアントを順番に回してもらえる
場所もあり、
集客や営業が不要な場合もあります。

レンタルジムなどを有料で借りて
パーソナルトレーニングを提供する場合は、 既にクライアントを持っていなければ
自分で集客をしなければなりません。

今はSNSやオウンドメディアなどで
ブランディングして集客するなど
個人でも集客しやすい環境になっていますが、

その地位を築くためには
それなりに価値のある情報提供や
人気を獲得するために発信活動をする
必要があります。

こういった個人の名前での発信が
得意・好きという方は
向いているのではないでしょうか。

○ジムオーナー

:自分でスタジオを構えて
 パーソナルトレーニングを提供する、
 トレーナーを雇う場合もある

〈メリット〉
・自分の裁量で
 サービス内容・施設・ルールを決められる


・人を雇えば自分ひとりで働く以上の
 収入が得られる可能性がある


・落ち着いて同じ場所で働き続けられる
(転勤や複数職場への移動がない)

〈デメリット〉
・始めるためにまとまった資金が必要


・場所代などの高い固定費を負担する必要がある


・立地によっては集客が大変


・セッション以外の様々な業務が発生する

〈向いている人〉
・場所やサービス内容、人間関係など
 全てを自分で決められるので
 やりたいことや信念がハッキリしている人


・トレーナーとしての専門性だけでなく、
 「ビジネス力」についても高めていける人


・社会環境や地元のヘルスケアに貢献したい人

3つの働き方の中で一番ハードルが高く
リスクもありますが、
全てを自分で決められるという
自由な働き方を選べる可能性が高いです。

ただフリーランスからジムを開業する際に、
最初のうちは集客や売上が立たないため
フリーランスとジム経営を並行して行う
場合もあると思います。


その場合はジムの営業時間が限られるなど
せっかくのクライアントを逃すかも
しれないので、

目先にの収入が大事なのか
生活費を確保しておいて
開業したジムにコミットするのかなど、
開業後の戦略も検討しておきたいですね。

私も経験していますが、
仕事先を整理しようと思い
ある契約先の割合を減らしていても、
オファーがあれば
どうしても請け負いたくなるものです。

この業界は頑張りすぎる人が多いので
自分のコンディションやライフワークバランスを
崩してまでやりたい仕事なのか、
ベテランになるにつれて
考えていかなくてはなりません。

また独立・開業する時の
トラブルとして多いのが、
前職のクライアントを連れていくことです。

これは規則違反になっていることも多く
基本的にはマナー違反ですが、
会社によっては独立時にクライアントごと持っていくことを許可している場合もあります。

しかし金銭が発生したり、
実質的に前職からの指示のある独立という名の
「支店」状態ということもあります。

独立思考の方も多いと思いますが、
実際には多額の開業資金の準備や
パーソナルセッション以外の
集客・事務作業の大変さなどで

「割りに合わないな」
と感じる人もいるでしょう。

独立のための修行として数年勤めた後に
開業を考えている人も多いと思いますが、
会社はトレーナー教育をしてくれる
学校ではないので、

最初から自分の都合を優先する人は
上手くいかないでしょう。

組織に所属して、
そこで十分に実力を発揮出来て
心地よい環境であれば
無理に独立する必要はないと思いますよ。

【パーソナルトレーナーのキャリアプラン】

まずは社員でもフリーランスでも
一定レベルの教育を学校や養成講座、
もしくは会社で受けた後
パーソナルセッションの数をこなして
経験値を積んでいくことが大切です。

1万時間の法則というものがありますが、
何かのスキルを習得するのに
これだけの経験値が必要になります。

セッションをしていく中で、
自分では解決出来ない問題が出てくると
身体やトレーニングに関することを
さらに勉強してスキルアップしていきます。

自分の得意なことを生かしやすい職業ですが、
クライアントも情報感度が高く
一定の知識を持っている方が多いので
常にスキルアップしていかないと
人気や信頼を得続けることが難しいです。

働き方は主にこちらの2つです。

①社員となり組織に所属する
②フリーランスorジム経営で独立する

どちらが良いというよりは、
自分に合った働き方の中で
ステップアップしていくのが理想ですよね。

一般的に社員になると
こういった流れでキャリアが進んでいきます。

1.若手の頃はパーソナルトレーナーとして
 たくさんセッションをこなす「プレーヤー」

2.中堅になると若手の教育も兼ねる
 「プレーイング・マネージャー」

3.中堅・ベテランになると、
 教育やマネジメントの比率が高くなる
 「マネージャー」

ベテランになるほど
現場でセッションをこなしていくよりも
マネジメントなどに割かれる時間が増えて
プレーヤーではなくなっていきます。

ベテランになってからも
プレーヤーでいたい人は、
フリーランス活動やジム開業などで
自分で活動する場に移行する必要が
あるかもしれません。

実際に年齢を重ねると
体力的にセッション数をこなしていくことが
大変になっていくと思うので、
マネジメントや経営の割合が増えることも
良いことではないでしょうか。

私も将来的にプレーヤーだけでなく、
教育やマネジメントの割合も
増やしていきたいと思います。

フリーランスの働き方は
成果がそのまま収入に繋がりやすく
やりがいを感じられますが、

不安定な収入や手薄な社会保障、
労働集約型労働のため
自分が動けなくなった時に収入が減少してしまう
など年齢を重ねるにつれて
働き方に不安を覚えていく方もいると思います。

私もフリーランス時代の20代の頃は
ほとんど休みを取らずに仕事をしていましたが、
30歳を越えてからは体力的に休みなく
働く事が難しくなっていきました。


また複数の場所で働いている場合が多いので、
職場移動も時間拘束・体力的に
キツくなっていきます。

そうなった時に
時間単価が高い仕事を獲得できる実力、
1つの仕事を継続していただけるリピート力、

自分が働かなくても収入が入ってくる
仕組みづくりなど
トレーナーとしての実力はもちろんのこと
キャリアアップのために
ビジネス力も必要になります。

プレーヤーとして第一線で働き続けたい人には 体力的には大変ですが、
フリーランスが一番理想的な働き方だと思います。


年齢を重ねても輝き続ける一流プレーヤーで
居続けるには人気・実力と共に、
相当な自己管理・自己投資などの
努力が必要です。

キャリアの最終到達点として
誰もが思い浮かぶのが、
ジムやスタジオを開業して
「自分の城を持つ」ことではないでしょうか。

責任も大きく
収益を上げられないとリスクもありますが、
その分自分の裁量で全て決められるので
実力と主体性を兼ね備えている人は
やりがいのある働き方になると思います。


私も高校生の時にトレーナーを志した時に、

「40才以降にスポーツ現場で
バリバリ働き続けるのは体力的に厳しそうだな」

「40才を過ぎて誰かに命令されて仕事をするのは嫌だな、自分の実力で仕事をしたいな」

このように考えて、独立・開業権がある
国家資格が取得出来る学校を選びました。

(自身のケガのリハビリで
理学療法士に興味を持ちましたが、
独立・開業権のない理学療法士だと
基本的には病院や施設で働くことになります。

20〜30代はスポーツ現場で働きたい
→40代以降は開業したいという
自分の理想とするキャリアは難しいと思い、
鍼灸・マッサージ師を選択しました)

自分の城を持つことが夢だった、
理想の働き方を模索する中で
開業が向いていたなど…

リスクはありますが様々な理由で
独立・開業が最適な場合もあります。

私の周りでも治療院やパーソナルジムや
スタジオを開業されている方も多いです。


やはり実力が高く、
責任感や使命感があり
自分を確立されている方が
開業しているイメージです。

私も20代前半の会社員として
働いていた時にはとても独立・開業への
憧れがありました。

その後フリーランスを経験して、
30代の今はライフワークバランスを整えながら、
産休・育休を経ても働ける環境を選んでいます。

今後は大きな組織の中での
プレーヤーとしての実績を作った上で、
マネジメントや教育などの経験を積んだ後に
独立・開業を選ぶか、
組織の中でのキャリアアップを目指す予定です。

おわりに

皆さんいかがでしたでしょうか。

パーソナルトレーナーとしての働き方や
キャリアアップを考えて来ましたが、
どの働き方が優れているということではなく
自分に一番向いていることを探すのが
重要だと思います。

今後も女性トレーナーやセラピストに
役立つ情報を発信していくので
よろしくお願いします。

最後までお読みいただきありがとうございました!

Risa

パーソナルトレーナー/鍼灸マッサージ師歴13年目 筋膜治療とピラティスやトレーニングなどの運動指導を通して、痛みの軽減や姿勢・動作の改善など機能改善を目的としたマンツーマンセッションを提供している。 自身の技術や経験を生かして、お客様に選ばれるための自立した希少価値の高い治療家や運動指導者になるための養成講座を主催。 今後は自身でお客様の問題解決をするだけでなく、セラピスト/トレーナー/インストラクターが自己実現するためのサポートも行っていきたいと思っている。

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